平日営業禁止(金〜日限定)の条例が投資判断に与える影響

平日営業禁止(金〜日限定)の条例が投資判断に与える影響

2つの物件を見比べていて、価格も駅距離も近いのに、片方だけ利回りの前提条件を確認したら「営業可能な曜日は金曜〜日曜のみ」という上乗せ条例のある区だった、ということがあります。仲介資料の利回り表示は同じフォーマットで並んでいても、稼働可能な日数の前提がまったく違えば、比較する意味がありません。

表面利回りは「365日稼働」を前提にしていることが多い

物件資料に載っている利回りの多くは、年間を通じて稼働できることを前提にした試算です。しかし、住宅宿泊事業には区独自に営業可能な曜日を制限する上乗せ条例がある区があり、たとえば金曜〜日曜のみの営業に限定されると、単純計算では年間の稼働可能日数の上限が半分以下まで下がります。平日に稼働できないということは、出張・商用需要という大きな客層を取りこぼすことも意味し、稼働可能日数の減少以上に収益への影響が出ることがあります。一つの目安として、稼働可能日数が半減すれば、同じ稼働率であっても年間収入はほぼ比例して目減りすると考えておく必要があります。

「稼働可能日数」と「実際の稼働率」は別物と考える

固有の視点として押さえておきたいのは、条例で稼働可能日が週末に限定されたとしても、その限られた枠の中で稼働率100%になるわけではないという点です。稼働可能日数の制限と、閑散期・競合物件の存在による稼働率の低下は、別々に効いてくる下振れ要因です。「週末だけなら埋まりやすいはず」という感覚だけで判断せず、稼働可能日数を前提にした収入の上限を試算したうえで、そこにさらに稼働率を掛け合わせて考える必要があります。

失敗シナリオ:平日稼働前提の返済計画が、契約直前に崩れる

想定しておきたいのは、年間を通じて稼働できる前提でローンの返済計画を組んで契約を進めていたところ、契約直前になって所在区が金〜日限定の上乗せ条例の対象だと分かり、月々の想定収入が半分以下になってしまうケースです。稼働日数の前提は、収益シミュレーションの土台にあたる部分なので、ここが崩れると計画全体を組み直す必要が出てきます。物件検討の早い段階で確認しておけば、投資判断そのものをやり直す余地がありますが、契約直前だと選択肢が限られます。

買う前に確認したいこと

物件所在区の保健所・生活衛生担当窓口に

  • この区に、営業可能な曜日・年間提供日数を制限する上乗せ条例があるか → 収益シミュレーションの前提となる稼働可能日数が分かる

仲介会社・売主に

  • 提示されている利回り・収益シミュレーションは、何日稼働できる前提で計算されているか → 表面利回りの根拠となる稼働日数の前提を確認できる

まとめ

  • 利回りを比較する前に、所在区の営業日制限の有無を確認し、前提条件をそろえる
  • 稼働可能日数の制限と稼働率低下は別々の下振れ要因として、両方を織り込んで試算する
  • 契約直前ではなく、物件検討の早い段階で所在区の条例を確認する

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