賃貸中の戸建て(オーナーチェンジ)を民泊にしたいとき|入居者に出てもらえるかで計画が決まる

物件ポータルで「オーナーチェンジ」「賃貸中」と書かれた戸建てを見かけることがあります。入居者がいる状態のまま売られる物件で、内見できないかわりに、相場より少し安く、家賃収入もすぐに入ります。「今の入居者が出たら民泊にしよう」と考える人も少なくありません。
民泊物件チェッカーの「目利き力診断」では、次の物件を出題しています(よくある条件を組み合わせた架空のモデルケースです)。
- 賃貸中の戸建て(入居12年)
- 賃貸借契約:普通借家契約
- 家賃:月7万円、延床面積:85㎡
- 計画:入居者に出てもらってから、民泊にする
あなたなら、この物件を買いますか?
診断の正解は「買わない」です。理由は物件そのものではなく、契約の種類にあります。
普通借家の入居者には、貸主の都合だけで出てもらえない
賃貸借契約には、大きく分けて「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。
- 普通借家契約:期間が来ても、借主が望めば原則として更新されます。貸主が更新を断ったり解約を申し入れたりするには、借地借家法上の「正当な事由」が必要とされ、立ち退き料を求められることもよくあります。
- 定期借家契約:期間が来れば更新されずに終わります(契約時の書面での説明など、決まった手続きを踏んでいることが前提です)。
このモデルケースは普通借家で、入居12年です。「民泊にしたいので出てください」は、正当な事由として認められにくい理由の一つです。立ち退きに応じてもらえるかは入居者しだいで、応じてもらえる場合でも、引っ越し費用などを含めた立ち退き料が必要になることがあります。金額は事情によって大きく変わり、家賃の数か月分から1年分を超えることもあると言われます。
検討中の物件はありますか?物件URLを貼るだけで、購入前に確認すべき論点を無料で一次診断できます(登録不要)「いつから民泊にできるか」が読めない物件は、収支が組めない
民泊として収支を考えるには、いつ営業を始められるかが分からなければなりません。入居者がいつ出るか分からない物件では、改修の時期も、収支の前提も決められません。
ありがちな失敗は、こういう流れです。民泊の売上を前提に、家賃収入より高い利回りを見込んで購入する。入居者に退去をお願いしても応じてもらえず、何年も賃貸のまま。民泊を前提にした借入の返済計画が、家賃収入だけでは厳しくなる。
逆に、賃貸のまま持ち続けても困らない価格と家賃であれば、「入居者が自然に退去したら民泊を検討する」という順番で考えることはできます。大事なのは、民泊の売上を最初から当てにしないことです。
買う前に確認したいこと
仲介会社・売主に
- 賃貸借契約書の写し(契約の種類・期間・更新の条件・特約) → 普通借家か定期借家か、いつ・どんな形で契約が終わりうるかが分かります。
- 入居者の居住年数・家賃の支払い状況・退去の予定や意向 → 退去の見通しと、交渉の難しさの目安になります。
弁護士・不動産会社に
- 退去をお願いする場合の進め方と、立ち退き料の目安 → 民泊を始めるまでの時間と費用を、収支に入れられるようになります。
まとめ
- 賃貸中の物件は、まず契約の種類(普通借家か定期借家か)を確かめる。
- 普通借家なら「賃貸のまま持っても困らない価格か」で判断し、民泊の売上は当てにしない。
- 退去を前提にするなら、立ち退き料と時間を収支に入れてから考える。
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この記事のモデルケースは、民泊物件チェッカーの「目利き力診断」の1問です。物件の写真と条件を見て「買う」「買わない」を選ぶと、その場で正解と解説が出ます。
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